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最高に心を満たす自尊心-Super Satisfying Self-Esteem

言うまでもなく、人として最も心が満たされる体験は、人との関係性に見出すことができます。
お母さんの子宮から生まれ落ちた途端、赤ちゃんは「母と子」という最高に親密な関係が始まります。人類の存続という自然界の意図が母子関係に存在しているのです。

妊娠28週頃から、おなかの赤ちゃんはお母さんの心臓の音や、呼吸や気分のパターンを感じながら成長します。お母さんの言葉のリズムや声の質が、赤ちゃんの感情の中心を形作るのです。
言語能力さえも、生まれる2か月前からすでに発達し始めます。生まれてから母親の腕に抱かれると、赤ちゃんにはお母さんの心臓の音が外から聞こえてくることと、自分とは別のリズムを打っていることが分かります。そして即座に、この三次元に存在するとはどういうことかを理解するのです。

生まれた直後から、数日間、数週間、そして数か月の間、子どもは自分を産んだ母親の世話のもと急速に個として発達していきます。
このケアと滋養がなければ、子どもは死んでしまうのです。
この初期の母子関係が「子ども自身が自分のことを思うか」という土台を決定します。子どもが生まれて間もない時期、父親は母親との関係とは異なり、子どもが力強い存在である父親からの保護と安心を求めるような時期になるまで子どもの自尊心の形成に関する主要な存在にはあまりなりません。

子どもが自分の世界の境界線を試しながら、文化や地域が織りなす枠組みの中に自分をいかに収めるのかは、親と子からなる家庭という場所で、子ども自身がいかに自分を大切に取り扱えるかどうか、が反映します。これは人間であれば誰にも該当します。

内側の承認と 外側の承認

もし、子どもが家族や、友達、社会に望まれて生まれてきたのだと感じることができたら、彼らは自分の内側からの承認を感じるでしょう。
反対に、自分が特に望まれて生まれてきたのではなく、自分は可愛がられることより、我慢ばかりさせられていると感じたなら、外側に承認を探すようになります。
家族が、子どもの帰属と承認の必要性を満たすことができないと、彼らはぐるぐる回る自己批判(セルフジャッジ)の思考パターンに捉われます。自分がこのままでは十分ではないのだという痛みから逃れるために、満たされない承認欲求を解放しようと努力しますが、逆にそれを強化する結果になるのです。

先進国では理想的な幼少期をすごせる人間はほとんどいません。
本来子育ては、たった二人の両親と、競争する兄弟姉妹の中で行われるべきものではなく、コミュニティが子どもたちを育てることが必要なのです。
工業化された文明社会は、自然な家族関係から切り離されていきました。親しみに溢れた意味深い人と人との関係性より、物質を選んだからです。

私たちは、みな帰属し、包含されることを求めます。
そして、自分たちの生きるための努力を価値あるものだと認めてほしいのです。
しかしながら、ほとんどの人は、真の一貫した態度に出会うことはありません。近代社会では、特別な場合に承認されます。例えば、お誕生日や、学校や社会で何かを達成した時などです。そして、人生の終わりの時を迎えた時、それらすべては、はるか過去のものに見えるのです。

義務的な承認や永続する報酬のほとんどは、否定的な自己評価が残した、深い空虚感を埋めてくれることはありません。
外の世界は、真の承認体験をもたらしてはくれないのです。結局、私たちは、長い間をかけて創られた社会的な鋳型にそって振る舞っています。
外からの承認を得られるのではないかという期待に動かされながら…。

 

正しくある必要性とは

今、私たち人類には、「正しくある必要性」がもともと備わっていることを知ることが重要です。これは人生における環境や状況に対して、本能的に反応するために必要な機能であり、このようにして私たちは生き残ってきたのです。

正しいことは、明晰な感覚を精神(マインド)にもたらし、脳にはすばらしいエンドルフィンが溢れます。正しいことはこのためのメカニズムです。
何に関して正しいかは一切関係ありません。
正しいことは正しいことーマインドと脳は、こうして欲しいものを手にいれます。繰り返しますが、何に関してであれ、正しければいいのです。

私たちの自尊心が低ければ、「自分がいかに間違っている人間であるか」という考えに関して、正しくなければならないという思考のループを発達させます。
こうなると、頭の中をぐるぐるめぐる「自分は間違っている」という否定的信念の正しさの証拠を、人間関係であれ状況であれ、自分の外側に探そうとするのです。

 

肯定的な自尊心を得るには

それでは肯定的な自尊心はどのようにしたら得られるのでしょうか。
自分の内面にある空っぽの場所をどのように埋めたらいいのでしょう。
それが得られさえすれば、生まれながらに携えてきた人としての生得権を自然に生きることができるのに。効果的に思い出す方法はたくさんありますが、最も有効なのが日記を書くことです。コンピュータではなく、紙とペンを使ってください。

 

日記を書くことは、記憶を掘り起こすことです。コンピュータを使うことは、あまり個人的な作業とは言えません。日記をつけるスケジュールを立ててください。
例えば二週間夜30分間書くなどです。そしてその期間、まずお母さんとの思い出、次にお父さんとの思い出を毎日書き出します。それから兄弟姉妹のことを書きましょう。
自分が他の人に比べて価値がないという自己評価を、いつから採用してしまったのかを見つけてください。

他の具体的なテクニックは、家族に話を聞くことです。
あなたが小さいころ、家族があなたのことをどんなタイプの人間だと考え、どのように感じていたのかをインタビューしてください。
同じことを兄弟姉妹や友人たちにも行います。これは相手を非難するために行うのではありません。
単純に、あなたの幼少期の性質に関する異なった視点を手に入れるためです。

自己価値というものは、承認されることに依存しています。
この内面深くに存在する力動を通して私たちは「期待」を設定します。私たち全員が、ゆりかごから墓場まで、自分という存在を承認してほしいと望み続けます。
でも、ほとんどの人々は、自分が誰であるかを知らないので、本来のあなたという存在を真に知ることは不可能に近いのです。

ここでご紹介した二つの方法、日記をつけることと、インタビューのテクニックは、人との関係性に根差しています。そしてあなたが生まれてからすぐに出会った人間関係とつながることを求めます。
もし家族とのインタビューが不可能であるならば、日記をとおして、あなたの内面でそのプロセスを満たしてください。
ゆっくりと時間をとって、人類の集合意識が開かれていく中で、あなたという存在の偉大な価値を知っていきましょう。あなたが最高の探究の旅をされることを願っています。

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